TRSセレクション -海外- |
昨年4月にボローニャから帰国してしばらくすると、ルカからメールが届いた。 「年末に訪日したいが、その頃の日本の様子はどうなの?」 「日本人にとって正月は1年で最も重要な時期なので、新旧様々なイベントを体験できて面白いと思う」私は回答した。 すると、早速フライト・チケットを予約し、細かいプランは訪日するまでの間、ゆっくり考えるとのことだった。 彼らが日本で絶対に訪ねたい場所、それは海外にはないカプセル・ホテルだそうだ。大学で建築を学んだ彼らにとっては、学術的興味の対象なのだ。 |
12月29日朝、彼らは成田に到着した。 最初に向かったのはJRの窓口。彼らはイタリアで予約してあったJapan Railway Passという約4万5千円で2週間、座席指定の必要な新幹線を含む全国のJRに乗り放題というチケットを発券した。日本人であっても海外で購入すれば使えるそうだ。 彼らと私たち夫婦の4人は車に乗り込み、八丁堀にある私のオフィスを目指した。 彼らにとって初めて見る東京をドラマチックにプレゼンテーションしようと考え、レインボー・ブリッジ経由で都心に進入した。 そこが東京一番のビュー・ポイントの一つであることを告げるが早いか、彼らはすでにビデオを回し、写真撮影していた。 若いイタリア人建築家にとって新建築に溢れる東京は、まさにエキサイティングなのだ。 |
銀座経由で八丁堀のオフィスに立ち寄り、近くのファミリーレストランで昼食を取った。 「なぜ、多くの日本人がマスクをしているの?」 彼らは不思議そうに、そして不安げに尋ねた。確かにヨーロッパでは見慣れない光景だ。 「ある人は、インフルエンザや花粉から自分を守るためにマスクをし、またある人は、自分が掛かった風邪を他人に移さない様にマスクをします。後で二人に日本製の高性能マスクをプレゼントしましょう(笑)」 今度は日本語の挨拶について聞かれた。 「ありがとうは、ポルトガル語のオブリガードが語源というのは、本当?」 「確かに音は似ているし、そういう説があることも知っているけど、ありがとうは、有り難いという言葉が変化したものと考える方が自然と思う」 彼らは半信半疑だった。 「なぜ、日本では車は左側通行なの?」 マテオが尋ねた。 「100年ほど前、交通や郵便などはイギリスから、法律や医療はドイツから取り入れたと聞いている」 「イタリアからは何を取り入れたの?」 「音楽と・・・デザイン、ファッション、料理かな」 「どれも趣味的なことばかりだね」 その一言に皆で笑った。 |
2009.2.10 |
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